テクノロジーが進んだ日本の未来

こんにちは、掛川市議会議員、嶺岡慎悟です。

今回は、テクノロジーによって私たちの未来がどういう社会になっていくのか考えていきたいと思います。

みなさん、20年前を思い出してみてください。ちょうど2000年、私が大学に入った年になります。

当時、私は工学部の理系ということもあり、ノートパソコンを入学時に購入しましたが、まだ多くの学生がパソコンも持っておらず、インターネットもできない状況でした。

ちょうど、ポケベルの時代が終わり、ほぼ全ての学生が携帯電話を持ちだし、OSはwindows98、インターネットの普及が一気に進み、長者番付にIT企業社長が出てきた時代です。

それから、10年が経ち2010年、私も初めてのスマホiphone4を持ちました。スマホを持ったのは結構早い方だと思いますが、当時は、まだLINEも無く、インターネットが携帯で見やすくなった程度だったと記憶しています。

その後、10年が経ち、2020年、スマホによってさまざまな改革がされ、スマホはある意味財布より重要な、手元から離すことができないものとなりました。

時代は、大きく流れ、テクノロジーによってこれからどんな時代を迎えていくのでしょうか。

政府が掲げるこれからの社会

では、これからの社会についてまずは国の動きからみていきたいと思います。

SOCIETY5.0

まずあげられるのが、SOCIETY5.0です。

狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、政府としては、

Society 5.0で実現する社会は・・・・・

IoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。

内閣府HPより引用

内閣府HP

と定義しています。

デジタルトランスフォーメーション(DX)

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは・・・・・

データとデジタル技術を活用して、社会のニーズを基に、サービス、業務、風土等を変革し、競争上の優位性を確立すること

国の骨太の方針2020でも、DXの推進を掲げ、デジタル化を一気に進めていく方針を示しています。

また、デジタル庁を2021年秋までに創設する予定になっています。

今後は、民間、行政共にデジタル無くしては生き残れない時代を迎えることになります。

具体的な取り組み

テクノロジーを使った社会として、具体的な取り組みを紹介します。

自動運転車

まずは、何と言っても自動運転車です。これは、超高齢社会の地域課題の中で最重要課題と言える交通弱者問題を解決するための救世主になりえるとも言えます。

国土交通省が自動運転のレベル分けをして目標を立てています。それが以下の表になります。

国土交通省HPより

今年(2020年)の6月に法改正がされ、レベル3として世界に先駆けて高速道路での自動運転が可能となりました。

参考:政府広報オンライン

静岡県内においても、袋井市や沼津市、伊豆地域などさまざまな地域で実証実験等が行われています。

参考:しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト

掛川市でも、民間企業が掛川駅から掛川城へ行く自動運転車の実証実験の検討をされていると聞いています。

レベル5である、完全自動運転車化はまだまだ先の話になりますが2020年までは、ロードマップ通りに進んでいます。

自動運転車が進めば、スクールバス、コミュニティバス等への活用が見込まれ、高齢者の交通事故もなくなり、田舎の高齢者でも不自由なく暮らすことが可能になります。

自動運転車によって、社会は大きく変わり、地方創生を実現させるためにも、大変大きな役割を持っていると言えるでしょう。

MaaS(Mobility as a Service:移動のサービス化、以下マース)

マースとは・・・

出発地から目的地までの移動ニーズに対して最適な移動手段をシームレスに一つのアプリで提供するなど、移動を単なる手段としてではなく、利用者にとっての一元的なサービスとして捉える概念

出典:国土交通省

1つのアプリで、タクシーやバス、カーシェア、シェアサイクル等、マイカー以外の最適な経路検索と支払いまで一括で行うことができるようなサービスのことです。

マース先進国であるフィンランドでは、2017年に本格的にサービスがスタートし、台湾でも普及が進んでいます。支払いについても、月定額を払うことで公共交通機関やレンタカーが乗り放題となるような取り組みもされています。

静岡県でも、しずおかMaaS|静岡型MaaS基幹事業実証プロジェクトとして静岡市や伊豆等で様々な実証実験が行われています。

今後、自動運転車が進めば、さらにその有用性は高まると言えます。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AI

RPAとは・・・

ホワイトカラー(事務系の仕事)のデスクワークを、AI(人工知能)等が入ったソフトウェアをつかって自動化すること。

手作業で行ってきたことを自動化することで、業務改善が図られ、残業時間等を減らすことが可能です。人が行うと必ず起こるヒューマンエラーも減らすことができます。

全ての作業が自動化するのはずっと先だと思いますが、将来的には入力業務や経理計算等、多くの仕事がパソコン内のロボットによって行われるようになり、単純作業は不要になってくると言えます。

掛川市でも、多くの取組がされています。保育園の入所基準等でもAIによって、職員が何日もかけていた作業も公平・公正に瞬時に判断がされています。

掛川市役所 | 導入事例紹介 | WinActor® | 業務効率を劇的にカイゼンできる純国産RPAツール
地方自治体の行財政改革に貢献する、RPAを使った「三方一両得」の業務改善とは?

テレワーク社会

テレワークは、コロナにより一気に進みました。

業種によってもその有用性は大きく変わりますが、地方に人を集めるには、このテレワークは非常に重要な要素と言えます。

テレワークが進めば、田舎でも仕事ができ、大学も東京で暮らす必要が無くなります。

また、教育の面においても、リモート授業によって地方でも同等の教育が受けることが可能になります。

今後、テレワークやサテライトオフィス、コワーキングスペースなどによって、地方創生を実現させ、持続可能な日本を作っていく必要があると考えます。

行政のデジタル化

民間企業もデジタルトランスフォーメーションを実現し、効率経営を行っていく必要がありますが、行政としても、デジタル化を進めていくことで、業務改善、市民サービスの向上につなげることができます。

行政のデジタル化の第一歩は、マイナンバーカードの普及です。

マイナンバーカードがあれば、将来的には市役所に行かなくても全ての行政手続きが自宅からできるようになることを目指し、政府もデジタル庁を創設し、一気に進めていくことになります。

Woven City(ウーブンシティ)

静岡県裾野市のトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場跡地に、トヨタ自動車株式会社が、『人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」』を2021年2月23日(富士山の日)に着工することが発表されました。

150m四方の区画に実際に人が住み、自動運転、MaaS、ロボット、スマートホーム、AI等の最新技術を導入した実証実験が行われます。

未来都市として多くの期待が寄せられています。

トヨタ、「コネクティッド・シティ」プロジェクトをCESで発表 | コーポレート | グローバルニュースルーム | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト
トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ)は、2020年1月7日(火)~10日(金)に米国ネバダ州ラスベガスで開催するCES 2020において、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表しました。本プロジェクトでは、2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本...
Woven Cityイメージビデオ(long ver)

地方自治体が何をしていくべきか

地方自治体としても、デジタル化、ICTへの取組は様々です。

浜松市では、全国に先駆けて令和元年10月31日に『デジタルファースト宣言』を行い、全国の中でもトップクラスの取組みをしていると言えます。

特にテレワークの支援が積極的で、テレワークパーク構想の実証実験等も行われてます。

https://hama-remo.jp/

袋井市のICTを活かした街づくりや島田市のデジタルトランスフォーメーション推進課など掛川市の近隣市町でも積極的に取り組まれています。

掛川市も、全ての自主防災会(≒自治会)や全小中学生へのタブレット配布など本腰を入れて取り組み始めています。ただ、マイナンバーカードの普及率は低く、課題も多いというのも事実と言えます。

地方自治体としては、行政のデジタル化を進めることも大変重要ですが、全ての国民、市民がデジタルに詳しいわけではありません。

70代のスマホ所有率は約50%という調査結果もありますが、使いこなせている人は数パーセントとも言えるのではないでしょうか。

今後、デジタル化は嫌でも進んでいきますが、地方自治体として、自動運転車やテレワークなど市民にとって有用なもの、必要なものをしっかりと見定めて、デジタルの波に振り回されないように、地に足を付けて取り組んでいく必要があります。

テクノロジーの先にある社会

テクノロジーが進んでいけば、本当に便利な時代になっていきます。テクノロジーにより老後の心配も減り、より豊かな生活ができることが期待されます。

自動車が自動運転になるのは当然ですが、将来的にはロボットがお米や野菜を育て調理をし、単純作業は全て機械化され、人の労働は、ロボットへと置換されていく時代がきます。まさに漫画の世界です。

人口減少も進み、人の労働の概念は大きく変わっていくことが予想されます。

私としては、その先には『ベイシックインカム』の時代が近づいていると思っています。

ベイシックインカムとは・・・

年金制度や生活保護制度を廃止し、こどもから高齢者まで全ての国民に必要最低限の生活費を配布する制度。イメージとしては、全世代型年金制度。

ベイシックインカムについては、また詳しく取り上げたいと思いますが、年金制度や国保制度、人口減少などの問題解決のためには、十分な議論の余地のある考えだと思います。

ベイシックインカムが導入されれば、生きていくだけならば、働く必要がありません。しかし、豊かに暮らすためには、当然働く必要があり、人は働くことで幸せを感じます。

フィンランドなどで実験が行われ、その有用性は示されていますが、財政面などで課題は多く早期の実現は難しいと言えます。

しかし、テクノロジーが進み、ロボットでの生産が進めば、その可能性は十分あると言えます。

テクノロジーの先には、どんな社会が待っているのか、将来を見据えながら、今できることは何なのか、しっかりと考えていきたいと思います。

まとめ

日本のデジダル化等の取組状況などをまとめさせていただきました。

これからの日本の未来はどうなっていくのでしょうか。

テクノロジーが進み、人の生活が便利になり、すべての人が幸せに暮らす。

そんな社会となり、持続可能な掛川市の実現に向けて、全力で頑張って参ります。

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